第4回 510×515mmの半導体パッケージパネルが語るもの

─ 半導体実装材料・プロセスのオープンイノベーションを促進 ─
パッケージングソリューションセンタの取り組みに迫る

尾田 倫一(副センタ長)、宮﨑 忠一(主管研究長)、野中 敏央(開発担当部長)、
西田 昌貴(R&D担当)、李 欣蓉(R&D担当)

期待とともに準備が進む5G

センタの魅力を端的に表すとしたら? ──そんな問いに対する模範解答は、510mm×515mmの半導体パッケージパネルだろう。13.2mm×15.2mmの小さなパッケージが合計1,008個、パネル上に美しい配列でぎっしり詰め込まれている。

「これだけ大きなサイズのパネルを試作できる環境は、おそらく世界的に見てもここしかありません。できるだけ大きなサイズのパネルで効率的に大量のパッケージをつくることで、コストダウンしたいというニーズがあります。このような大サイズは、これからますます需要が高まってくると思います」(野中)

大きなサイズのパネルは、一度に半導体パッケージを大量に生産することができる。しかしその分、生産の稼働率が上がらなければ量産の効果を発揮することはできない。そこで期待が集まるのが、次世代の移動通信システムである5Gだ。一気に需要が高まり、大量生産を求められることが想定され、センタでも5Gに向けての準備が着々と進んでいる。 「今、5G関連で、より効率の良いものを生み出すための研究に携わっています。5Gに対しても材料メーカーだからこそのアプローチがあるはずで、これから今までにない提案をしようとしています。人々の生活をもっと便利にすることに貢献していきたいと思います」(李)


R&D担当・李

ヘテロジニアス・インテグレーションへ

こうした5G用途をはじめ、半導体パッケージは、今まで以上に小型化・薄型化が求められているが、すでに半導体自体の高密度化は限界に達しつつある。
「前工程で微細化して集積度を上げるのには限度があり、私たちが取り組んでいる後工程の実装技術で、高集積度を実現することが求められるようになってきています」(宮﨑)

その大きな潮流が、ヘテロジニアス・インテグレーション(異種統合)と呼ばれているものである。
「いろいろなものをうまく集積させて、コストは抑えつつ機能をさらに発展させていくものです。三次元実装も含めて、これまで以上に複雑な構造に新たなアプローチで挑んでいます」(野中)


開発担当部長・野中

もちろん、高集積度とともに高い信頼性も求められる。
「そこが実装技術の腕の見せどころです。実装技術がテクノロジードライバーになり、いよいよ主役に躍り出てきたわけで、お客さまの期待にしっかり応えていきたいと思います」(宮﨑)
これからますます高密度実装技術が、システム性能の向上を牽引することになる。

もうひとつ、大きな変化をもたらそうとしているのが、当社の材料メーカーとしての単なるサプライヤーからの脱却だ。
「最終的にはお客さまに信頼をおいていただき、ビジネスパートナーというかたちを目指していきたいと考えています」(宮﨑)
お客さまに寄り添い、アドバイスしながら、フルプロセスのトータルソリューションなど、さまざまな提案を行っていく。センタでのコンソーシアムなどの取り組みが、そうした変革を導く確かなステップになっている。


左:R&D担当・西田、中:主管研究長・宮﨑

可能性をさらに拡げて

とはいえ、相手は、目覚ましい発展を遂げてきた半導体の世界。この先を見通すのは決して容易いことではない。
「ひょっとしたら、いろいろな材料を何も使わない状態で実装するようになる可能性もあるわけです。だからこそ私たちは常に危機感を持ちながら、将来に向けアンテナを張っていかなくてはいけないと考えています。さまざまな大学と共同研究もスタートしたところで、さらに新たな取り組みをこれからも積極的に進めていきたいと思います」(尾田)


副センタ長・尾田

「まだまだいろいろな可能性があると感じているので、そうした中で自分がどれだけこの世界でチャレンジできるかを考えながら、日々一生懸命、一つひとつのことに取り組んでいきたいと思います」(西田)

新しいものが次々に生まれ市場に登場する。それらを見極めながら、当社のパッケージングソリューションセンタは、世界有数の半導体実装研究拠点としてのポジションを確かなものにしていく。

(役職名は2020年2月取材時のものです)

協創をご希望の方はこちら

お問い合わせ

(別サイトが開きます)