第3回 コンソーシアム「JOINT」の赤に秘められた想い

─ 半導体実装材料・プロセスのオープンイノベーションを促進 ─
パッケージングソリューションセンタの取り組みに迫る

宮﨑 忠一(主管研究長)、野中 敏央(開発担当部長)

コンソーシアムを支えているもの

コンソーシアム「JOINT」(ちなみにJOINTは"Jisso Open Innovation Network of Tops"の頭文字から)は、開発テーマに合わせて複数の企業との間で技術や情報の相互活用を行うことが可能になる。具体的には、半導体パッケージの製造に必要な材料やプロセスの最適な組み合わせ、さらには今までにない新しいプロセスや構造などを、総合的なソリューションとしてすばやくお客さまに提供できるようになるのだ。

また、お客さまが行う半導体の評価試験に近い条件で材料や装置の評価を行うことができ、サプライヤーごとに個別に行っていた評価の手間も省ける。スピードが求められる半導体パッケージの開発で、工数・時間の削減に貢献することができるのだ。

コンソーシアムについてPRすると以上のような内容になるのだが、そのバックグラウンドにはメンバー一人ひとりの熱い想いが秘められている。そのひとつの表れがコンソーシアム「JOINT」の、筆文字のロゴのO(オー)に塗り込められた赤だ。

強みを発揮するために

「このロゴは、私が字体や形状のイメージを考え、プロに制作を依頼したのですが、最後にあえてここは赤く塗ってほしいとお願いしました。その理由を私が説明しなくても、ここにオールジャパンの魂を込めたというのが、ロゴを見たメンバーの方々は皆さんわかっているんです」(野中)


開発担当部長・野中

かつて、この川崎市の多摩川沿いの一帯は、国内大手の電機メーカーなど多くの企業の事業所や工場が密集し、"日本のシリコンバレー"と称されることもあった。しかし、時代の流れとともにその顔ぶれも様相も大きく変わろうとしている。

「材料メーカーも装置メーカーも境遇は一緒で、皆さん国内にあったはずの"コーチ"(大手電機メーカー)が、いつの間にかいなくなってしまったわけです。そうした状況にあって、材料と装置だけは日本で空洞化することなく、国内でがんばっていこうと」(宮﨑)

まだまだ日本には独自の技術がたくさんあり、それは大きな強みである。

「オールジャパンでがんばろうという想いがベースにあります。それもこのコンソーシアムがうまくいっている理由のひとつかもしれません。JOINTのJは"実装"のJなのですが、気持ちのうえではジャパンのJなんです。オールジャパン、ライバルだけどワンチーム、そんな気持ちです」(宮﨑)


主管研究長・宮﨑

オールジャパンへようこそ

オールジャパンだからこそ、海外のお客さまにとってもメリットがある。
「今まで海外のお客さまは、出張で日本に来ると、例えば装置メーカー3社をまわって、そのあと材料メーカー3社に行って、使えそうな材料をかき集めて帰るという、かなり負担のかかるスタイルでした」(宮﨑)

ここで「JOINT」のひとつのソリューションが発揮できる。
「海外のお客さまは、羽田まで飛んで来て、ここに来ていただければ、わざわざいろいろなメーカーに足を運ばなくても、もう主要な技術が集まっているし、必要に応じてJOINTメンバーも同席し、こちらでさまざまな提案を受けることもできます。お客さまにとっては、手間も省けるし時間短縮にもつながります。もちろん出張旅費も削減できます」(宮﨑)

こうしたさまざまなニーズに対応できるセンタには、1室だけ、ガラリと何もない広い部屋がある。ここは、メンバーが必要に応じて外部から自由に装置を持ち込んでセッティングし、試験・評価を行うことができる部屋なのだ。
「つくばの時は、こうした依頼をたくさんいただいていたのに実現できませんでした。ようやくここで用意することができました」(野中)

オールジャパンの底力を、このセンタで発揮していきたい。

(役職名、コンソーシアム参画企業は2020年2月取材時のものです)

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